重版と新刊のお知らせ

 こんにちは、似鳥航一です。


 予想を超える速度で次々変わりゆく、社会の様々な方針・慣習・情勢。この世界は本当にどうなっていくのだろう? と一年前なら頭にも浮かばなかったことを何かと考えずにいられない今日この頃ですが、似鳥は元気にやっています。最近はバターを大量投入したトマトカレーと、ほぐした鯖のパスタばかり食べて快適に生きてます。

 食事の選択肢が狭められている以上、内容が偏るのは致し方ないでしょう。空腹を感じたらふらふら外食しに行き、夜の町を無意味に散歩して帰ってくるような生活は今では遠い昔のこと。今昔物語集の世界なのです。

 皆さんは毎日何を食べてますか?

 小腹が空いて、ご飯を用意するのは面倒くさいけど多少の活動に必要な分の熱量J(カロリーともいう)を確保したい場合は、地味にシーチキンが似鳥のお勧めです。油も多いし。そんなわけで最近おでこにニキビができてしまいました。


重版のお知らせ


 栗丸堂の「お待ちしてます」シリーズ(お待ちしてます下町和菓子栗丸堂)の1~5巻に重版がかかりました。

 新しいシリーズが開幕したことで興味を持ってくださった方が多いようです。皆様ありがとうございます。

 この「お待ちしてます」シリーズの1巻を書いたのは6年前(……え、そんなに前!?)。執筆の時点では浅草に実在し、ひそかにモデルにさせて頂いた老舗も今では何店か減ってしまいました。とても寂しく残念に思います。

 ただ、人の記憶と紡ぎ上げた虚構の中で、情報は永遠。今後も栗丸堂の作中では楽しげな享楽的空間として、いつまでも変わらず存続させたいもの。それは多々ある創作の醍醐味の中でも一際輝く一点だと言えるでしょう。



新刊のお知らせ


 上記の「お待ちしてます」シリーズとは別に、現在、新シリーズの「いらっしゃいませ下町和菓子栗丸堂」という話を進めています。その2巻が08月25日に刊行されます。


タイトルは、

『いらっしゃいませ 下町和菓子 栗丸堂2  聖徳太子の地球儀』。
 Welcome to downtown japanese sweets Kurimarudo Volume 2
 ~Prince Shotoku's globe~


タイトルだけ見ると歴史物のようですが、一応現代が主な舞台です。今回は多少、過去にも遡りますけど。

イラストレーターは、わみずさん。今回も素敵なイラストを描いて頂きました。まだ公式サイトに上がっていないので、もう暫くお待ちください。

 「いらっしゃいませ」シリーズは、「お待ちしてます」シリーズとは、ストーリーの縦軸と全体像の出現の仕組みを変えています。といっても1巻の時点ではまだ何も出てきていないのですが……。

 基本的には独立して楽しめるようにしているつもりなので、「いらっしゃいませ」からの新規読者の方も安心してお読みください――というのが作者からの公式見解です。異論はもちろん認めますよ。


日々雑感

 新しい生活様式はいつまで新しいのか? なぜパチンコ店ではクラスターが発生しなかったのか?

 最近、推しのYouTuberのゲーム実況を視聴しながら、よくそんなことを考えています。


 どちらの問いも答えは一見シンプル。前者はワクチンが開発され、幅広い人々が簡便に取り扱える環境が整うまで。後者は人間同士の直接的な交流が少なかったからだと言えるでしょう。


 ワクチンの実用化に長い時間がかかるのは自明。日本でも例えば某大学発ベンチャーのDNAワクチンの臨床試験などが行われていますが、事態がこれだけの規模である以上、もしも副作用があった時は大問題になるため、限りなく慎重にならざるを得ません。崇高ですが、リスクも高い仕事。急ぎたくても急げない、しかし世の情勢を見ると気は逸るという状況に歯痒い思いをされているのではないでしょうか。

 あるいはワクチンの実用化は困難だと提唱している方もいます。個人的にその意見には頷きがたいのですが、一理あると言えばあるでしょう。実際、ゼロ年代に広まったSARS(SARSコロナウイルスによる呼吸器疾患)のワクチンは20年経った今も開発されていません。


 いずれにしても世界規模で考えれば、この事態の年内の収束は難しそうです。日本だけが収束すればいいから鎖国せよ――みたいな江戸時代風の方策は今の日本経済の仕組み上、施行が難しいので。

 とすると、新しい生活様式に則った暮らしは、この先あと1~2年くらい続ける必要があるのかもしれません。


 そんな状況下、感染を起こさずに元の暮らしに近いことを行うためにはどうすればいいのか? 大幅に低下せざるを得なかった日常生活の質を再び上昇させることは可能か?

 それを考える中で、前述の問いが時折胸に浮かび上がってくるのです――なぜ危険視されていたにもかかわらず、パチンコ店ではクラスターが発生しなかったのか?


 以下は完全な私見ですが……

 新型コロナウイルスは口からの飛沫と、それによるエアロゾル(空気中を漂う微粒子)で感染することに現状なっています。だから感染リスクが高いのは、主に近距離での対人コミュニケーション。会話しかり、食事会しかり、親密な身体的接触しかり。

 ただ、パチンコ店ではそれらに類するものが極めて少ない。……いやまあ、昔一度行っただけなので今の実態はよく知らないのですが、パチンコ店内では常に賑やかな音楽が流れていて、会話どころではないイメージがあります。隣り合った見ず知らずの他人と談笑しながら社交的にプレイするものでもないでしょうし。

 パチンコ台正面という個々人の限定された一つの方向だけを見て、他人と一切交流せず、その場から動きもせず、黙々と自分だけの時間を過ごすという行為は、たぶん比較的安全なのですね。(※あくまでもカラオケやスポーツジムやキャバクラやホストクラブ等と比較すれば……という話ですので、念のため)


 そういった視座から考えると、ゲームセンターや図書館やウインドーショッピング等は、上記と条件が大体同じなので、クラスターは発生しにくいと言えるでしょう。

 高い通気性を確保すれば、たぶん映画館や博物館やプラネタリウム等でもクラスターは起こりにくいのかもしれません。(パチンコと違い、顔を向ける方向がおのおの専用のものではないので、少し条件は違いますが……)

 何にせよ、本人が沈黙し続けられる静かな空間なら、そうではない場所よりも格段にリスクが低そうです。


 うわ? そう考えると満員電車もじつは意外と安全なのだろうか。決して乗りたいわけではありません。

 思いもよらない結論に至ってしまったので、この話はここまで。

にとりの愉快な小部屋  -似鳥航一ブログ-

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