新年のご挨拶
似鳥航一です。
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
昨年は(このページを見てくださっているということはおそらくは何らかの形で)お世話になりまして、ありがとうございました。2023年というこの新しい年が皆様にとって佳き年になるよう、お祈り申し上げます。
と、ありがちな書き出しになってしまいましたが、本当にそうなってほしいものです。
なにせ去年は終わる気配のないコロナ禍に加え、ロシアとウクライナとの間で戦争が始まったり、安倍元首相が銃撃されて亡くなったりと、巨大な歴史的悲劇が相次ぎましたからね。今年は幸多き明るい年になってほしい。
と、これを書いている2023年の冬、日本列島は10年に1度の大寒波に見舞われています。ニュースによると、なんでも「最強」寒波なのだそうで…。(加藤純一最強という幻聴が聞こえてきそうだ)
実際、僕の住んでいる東京でも先日は最低気温がマイナス3度でした。ということは、北海道や東北の寒さは推して知るべし。
しかも昨年からのロシア・ウクライナ戦争に端を発したエネルギー危機で電気料金も高騰しており、検針票の請求予定額はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図――かどうかはわかりませんが、今年も一筋縄ではいかなさそうな暗雲が早くも立ち込めていそうなのでした。ああ、微妙におめでたくない新年の挨拶になってしまい、申し訳ありません。
Shrine visit
よく晴れた気持ちのいい冬の日の昼下がり、知人と少し遅い初詣に行ってきました。
たまには浅草以外の場所ということで、今回は江東区の亀戸天神社です。
ここは天満天神=菅原道真を祀ってます。道真さんは平安時代の貴族にして学者にして政治家です。現代社会における政治家は、ややもすると税金という名目で庶民から搾取することが大好きな悪漢だと受け取られがちですが(暴論)、この方は尊敬されています。
そんな冗談はさておき、実在の人間そのものが神様になった神社って、じつは結構珍しいんですよね。
例えば八幡神は、もともと宇佐氏の氏神が応神天皇と合体したものですし、稲荷は秦氏の穀物神。春日神は藤原氏の氏神。伊勢や出雲は伝統的な古事記の神々で、諏訪信仰は古き土着神と古事記の神の融合です。
そういう意味だと人間の身から神様になり、なおかつ今も広く信仰を集めている菅原道真は単に優秀な才の持ち主というだけではなく、非常に希有な運命の持ち主だったと言えるでしょう。政治家として出世し、太宰府に流されて怨霊となり、その後は天神として祀られたりと、まさに激動。こんな人は他には――。
いや、探せばいらっしゃるんでしょうけどね。たとえば東京の守り神こと平将門様とか。
上の銅像は菅原道真公、5歳のお姿だそうです。昭和52年に奉納されたというこの像の台座には、彼が紅梅について詠んだ和歌が刻まれている。
『美しや 紅の色なる
梅の花 あこが顔にも
つけたくぞある』
あこ(阿呼)は道真公の幼名なのだとか。
『美しいこの紅の梅を自分の顔にもつけたくなりました』――くらいの意味。内容は子供らしく微笑ましいのですが、文章力がおませさん。なにせ今でいうところの未就学児の5歳ですからね。
時期的に早かったので梅はまだ。2月半ばから3月にかけてが見ごろらしい。とはいえ、早咲き品種の八重寒紅(やえかんこう)がちらほらと花をつけていました。
ちなみに天神信仰の神社でなぜ梅が重んじられているかと言うと、「飛梅伝説」というものがあるからです。
菅原道真が太宰府に左遷される際、お気に入りの梅の木との別れを惜しんで歌を詠んだら、その木が彼のもとへ飛んでいったのだとか。真偽はいかに。
飛梅伝説(とびうめでんせつ)
昌泰4 年(901)、時の右大臣であった菅原道真は、藤原氏の陰謀により大宰権帥(だざいのごんのそち)に左遷されることとなりました。いよいよ故郷である都を離れる日、幼い頃より親しんできた紅梅殿(こうばいでん)の梅に、
――東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春なわすれそと詠いかけました。主人(道真)を慕った梅は、道真が大宰府に着くと、一夜のうちに道真の元へ飛んで来たといわれています。これが有名な飛梅伝説ですが、もうひとつ別なお話があります。
伊勢国度会(わたらい)の社人である白太夫という人物が、道真を慕って大宰府に下る折、都の道真の邸宅に立ち寄り、夫人の便りとともに庭の梅を根分けして持ってきたそうです。道真は都から取り寄せたことをふせて「梅が飛んできた」ということにした、ともいわれています。
引用:太宰府市文化ふれあい館
https://dazaifu-bunka.or.jp/info/legend
境内の池でひなたぼっこする、カモとアオサギ。
亀戸天神社って、わりと都会の中に突然ぽっかりと広がってる印象なのですが、境内に広い池があるので色んな生き物がおわします。水鳥や鯉はもちろん、大きな亀の集団も甲羅干ししていたり…。
それを眺める参拝客たちの姿もほのぼの感を誘う、くつろぎの空間なのでした。
空飛ぶ宝石こと、カワセミもいたりします。
●カワセミ
僕も運よく見かけて、本当は写真に撮りたかったんですけどね。人間を警戒しているのか、遮蔽物がある撮影の難しい場所に留まっていたため無理でした。
でもまぁ、見られただけでも運がよかったです。山奥の渓流ならともかく、都会の真ん中でカワセミを見られるなんて、ある意味、今回の初詣で最もありがたみを感じた瞬間だったかな。
ちなみにカワセミ独特の美しい青は、構造色です。
構造色というのは物体(この場合は羽)の微細構造に分解された光が、干渉したり回折したりして発色する現象のこと。色素由来ではなく、小さな凹凸や複雑な層が光を独特の形で反射させて色を作ります。
カワセミの他にもタマムシやモルフォチョウ、ネオンテトラや光ディスク――探せば他にも色々あります。なんでも令和版うる星やつらのラムやテンちゃんの髪も、そういう設定らしい。知人に雑談で聞いた話だから真偽は不明ですが。
ついでに余談。構造色と仕組み的には近いということで。
シロクマの毛の色が何色か知ってますか?
白だと思うでしょうが、じつは透明です。しかもシロクマの地肌って黒なんですよね。本体そのものはクロクマです。
では、ここで問題。
にもかかわらず、なぜシロクマは黒ではなく白い熊に見えるのでしょう?
最近聴いている音楽
何か作業する際、大体いつも音楽を流してます。
音が楽しいと書いて音楽ですからね。幸せの源泉ということで。
でも作業に集中し始めると音がうるさく感じられてきて、再生を止める。そして再び作業に打ち込もうとすると今度は逆に無音が気になって遅々として進まず、また音楽をかけて聴きながら作業する。でもやがて集中し始めるとまた音楽が気になって――という無限ループ。
ああ、これもまた一種の幸せのスパイラルなのかもしれません。
色の話の続き
Q:なぜシロクマの毛は透明なのに白く見えるのか?
A:毛の内部が空洞になっていて、表面に微細な穴が沢山ある。そんな構造の細かい毛が密集していると、光が散乱&乱反射して白く見える。
つまるところ本来は色のない雲が白く見える原理と同じで、ミー散乱のためでした。
じつはあなたのお祖父ちゃんの白髪の毛もよく見ると透明で、中が空洞になっているのかもしれない。
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