栗丸堂5巻、横浜唐菓子事変

 こんにちは、似鳥航一です。

 仕事でばたばたしていて更新が滞っていました。皆様、息災でお過ごしでしょうか? 似鳥はもちろん無事に生きてます。時折「死んだ?」とメッセージをもらう程度には心配もされていて、ありがたいですね。


 それにしても先のことはわからないものです。去年の段階では、年末にかけて新型コロナの感染者数が激減し、国内のコロナ禍は事実上の収束――と自分としては思っていたのですが、オミクロン株の流行で状況は完全に予測不能になってしまいました。

 何せ今の東京の一日の感染者数は、普通に一万人超えてますからね…。それどころか今月は二万人に迫る勢いがある日もちらほら。

 オミクロン株は重症化率が低く、感染能力が高いそうなので、単純な数の比較にあまり意味はなさそうですが、それにしても毎日ここまで多いと感覚がちょっと麻痺してきます。おそらく検査漏れも多いことでしょう。

 実際、感染者数のカウントは半ばその意味を失っていると言ってよく――。

 というのも、ここまで感染者数が増えたのは「感染の自覚がなく、したがって検査も受けていない感染者」が非常に多いからなのですね。

 オミクロン株は軽症で、自覚症状がない場合もある――つまり「ちょっと風邪気味かな?」くらいの認識で普通に活動する方が多いからこそ、ここまで広まっているわけでしょう。知らないうちに無自覚に、うつしているのですね。…といっても、わざわざ意図的に感染させようとする者はいないと思いますが。


 こういうときは無理しないことが何よりも肝要。少しでも体がだるかったら大事を取って休みまくるのが最善策です。その気配を感じたら、同僚に何か言われても断固として有休を取得しましょう。

 日本の未来のためなんです、と鬼気迫る口調で言い張れば、きっと上司も認めてくれます。


新刊のお知らせ

「いらっしゃいませ下町和菓子栗丸堂」の5巻が来月、3月25日頃に刊行されます。

 サブタイトルは、「横浜唐菓子事変」。

 シリーズ完結まであとわずかなので、伏せていたカードをあれこれと表にしています。

 また、今回は横浜中華街で唐菓子を取り扱うエピソードがありまして、それを進行させる中で栗丸堂シリーズでは比較的珍しいギミックを使ったりもしています。うまくいけば新鮮な読み心地を味わってもらえるのではないかと。


 ――誰がゲームマスターで、何が目的なのか?

 ご期待下さい。


●KADOKAWAのサイト

https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g322112000239/


近況など、とりとめなく雑談

 今年もコロナ禍の状況は続きそう――旅行などは当面、控えた方が無難そうだということで、最近はエネルギーの余剰分を夜中にランニングで解消しています。

 草木も眠る真夜中、ひとりで音楽を聴きながら気ままに走る…。これが結構気持ちいいんですよね。背筋が凍りつくように寒い冬の深夜に走るのなら、流すのはやっぱりホラー映画のテーマ曲が望ましい。僕はいつも「hello zepp」(SAWのテーマ曲)をセトリの一曲目にしています。走って逃げないと殺されるような雰囲気が醸し出されて、なんとも言えず楽しいんですよ。興味がある方はお試しあれ。まるでホラー映画の登場人物になったような気分が味わえます――と言っても殺される役ですが。


 ところで無音で走るよりも、音楽が流れていた方が心身ともに楽なのはなぜだろうか?

 これは気のせいじゃなく、体感として全然違うんですよね。実際に疲れにくい。それは聴いている音楽が心地よく楽しいからなのか、心地よく楽しいとなぜ体が疲れにくいのか?

 一般的に疲れるのは乳酸が原因、と言われることが多いようです。運動すると筋肉に乳酸がたまって――みたいな描写をフィクションでよく目にします。筋収縮のためのアデノシン三リン酸(ATP)を生成する過程で、蓄積された乳酸がpHバランスを崩してエネルギーが足りなくなるというやつですね。


 ただ、これは昔の説で、現在では研究の結果、否定されています。他の動物では乳酸の濃度が高まっても筋肉パフォーマンスが低下しないものも多く、乳酸は直接の原因ではないとのこと。じつは因果関係がないものを結びつけていたようです。

 では疲れはどこから来るのかというと、体の中の疲労因子――「リン酸化eIF2α」が増えることが原因だと最近では言われています。

 つまり疲れの根源は物質。このリン酸化eIF2α(以下、疲労因子)が増えることで炎症性サイトカインが作られ、それが脳を攻撃するから「脳の疲労感」が生まれる。また、疲労因子が増える過程でタンパク質合成因子が消費され、細胞の機能低下=タンパク質合成阻害や臓器の機能障害が起きるから「体の疲れ」が生じるのだそうです。

 なんでも東京慈恵会医科大学ウイルス学講座の研究チームが見つけた手法らしく、ヘルペスウイルス(疲れると増える)の数のカウントから明らかになったとのこと。

 詳細にご興味がある方は以下のページで…。


●栄養ドリンクのCMから「疲労回復」の言葉が消えた深いワケ

https://diamond.jp/articles/-/284501

●マンガでわかる「最新!疲労・ストレス講座」

https://jikeivirus.jp/hiroukouza/


 で、ここで本題に戻るのですが、BGMを聴きながら走ると無音より疲れにくいのは、音楽のグルーヴに、脳の神経細胞を攻撃する疲労因子の増加を防ぐ効果があるからじゃないだろうか?

 それどころか疲労因子を縮減したりもするのかもしれない。音楽を聴いてるときって普段とあきらかに精神状態が変わりますからね。パリピの人がクラブやフェスで音楽を楽しみ、ちょっとしたトランス状態になっている――そのときの脳の状態は、きっと炎症性サイトカインの増加を防いでるんですよ。ウェーイと声に出すと、それだけでリン酸化eIF2αがいくぶん減るんです…(今、思い切り独断と偏見でものを言ってます)


 というわけで、最後は気分がアガりそうなEDMの動画を貼って締め括りたいなと。

 お勉強になったということで…。

 zutomayoさんの曲では「はう゛ぁ」が好きですね。

にとりの愉快な小部屋  -似鳥航一ブログ-

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